石崎公曹の奄美のことわざ
「え」から始まる言葉
痩二月
エーニグヮツィ
jeːnigwacϊ
やせてしまう二月
二月はご馳走にありつけぬ、つまらない月だ。ご馳走を食べる行楽日のない二月。旧二月は稲作儀礼にかかわる、なんの行事もない月である。奄美では行事のたびにご馳走を作って祭り、祝うのであるが、旧二月にはそのような行事は一日もない。
痩もがり
エーモガリ
jeːmogari
やせた子のむずがり
虚弱児はだだをこねる。健康児にくらべ、虚弱でやせ細った子は体調がととのわず、夜となく昼となく、ごきげんが悪くむずがるものである。
痩牛ぬ 子思い
エジャウシヌ クヮーオモイ
jezjaʔusinu ʔkwaːʔomoi
やせ牛の子思い
やせた牛は、ひじょうにわが子をいつくしむ。貧乏なくらしをしている親は、異常なほど、わが子に愛情をかけるものである。クヮーオモイ[kwaHHqqomqqoi]はクヮーオムェ[qqkwaHHqqomSW]ともいうこともある。