琉球語の美しさ

スー・フスー〈父〉

与那嶺では父を一般的にちャーちャーと言った。私の家は、部落の中では上位にあった。私などは父をちャーちャーといっていたのだが、家に働いている叔母などは、私の祖父のことをスーといっていた。多分、母もそういっていたと思う。ちャーちャーよりは尊敬の意をこめた言い方であろう。士族語をまねて、百姓の間でも父をスーといっていたのである。さらに敬意をこめていうときは、フスーともいった。一般的な用語ではなく、ある特殊な家庭で用いられたのであろう。

© 2017 - 2024 シマジマのしまくとぅば
〒903-0213 沖縄県中頭郡西原町字千原1