琉球語の美しさ

ぴンぴンワく〈わき水〉

子供は雨降りになると、ハサーギに集まって赤土をこねて牛や豚、車などの形をつくって遊んだ。雨がはれると丘の下に行き、大地から水の吹き出て来るぴンぴンワくをさがして遊ぶ。普段は水も湧かないところから勢よく雨水がふき出る。まるで大地からでも噴き出るように威勢がよい。そのまわりに赤土をこねて、かこいをつくり、その水をさらにひいて、いろいろの形の池をつくって、まるで小公園のようなものが出来る。お互いに作品をきそいあって喜ぶ。学校の教室で遊ぶ工作よりも、自然に密着してはるかにたのしい。古代人はこうしていろいろのものを造り出して行ったのではなかろうか。ぴンぴンワくということばもいかにも噴出する力にみちた語である。
▶原稿に(一九八一・一一・一五)の記述あり

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