琉球語の美しさ
パイガラー<走り上手>
パイガラーは走り上手の意。~ガラーは接尾辞として多くの動詞について「…し上手」の意味がある。シーガラー<し上手>、ヂーハちガラー<字書き上手>、ユミガラー<読み上手>、あッちガラー<歩き上手>、ゆートゥイガラー<魚捕り上手>などと多く用いられる。
『おもろさうし』一四の一につぎのようにある。
……又 ちやなもいか、ちやな、うへばる、のぼて、けやけたる、つよは、つよから
と、かはしや、ある
「つよからどかはしやある」は、方言の使い方としてはめずらしい。古格をおびている。万葉集の「山からか」と同じく、山そのもののもっている本来の性質という意味を持ち、露そのものの持つ本来の特性からしてかんばしい香になると考えられる。「から」が「人がら、国がら」から来たという説があるが、接尾語のパイガラーの「から」は多分にそれとつながりのある語と考えられる。