琉球語の美しさ

うーてィけー<後追い食い>

朝比奈時子さんが、この語の意味がよくわからないという。おそらく沖縄人ならば、誰でもすぐうなずけるにちがいない。現在のようにものがありあまり、潤沢(じゅんたく)な社会では、こんな語は生まれようがない。いつも食うのに困りはて、がつがつしていた社会に生まれたことばである。友達のあとにくっついて歩きまわり、その友達が食べ物にありつくと、これ幸いと食べさせてもらう者のことである。自分では、食物にありつける能力もなく、いつも他の後にくっついてまわる独立心のない怠弱者である。過去の沖縄の社会には、ずいぶん、こんな他人のあとを追っかけまわして食べ物にありついていたプユームン<無精者>が多かったにちがいない。
▶原稿に(一九八一・七・一)の記述あり

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