琉球語の美しさ

うーニ<船>

今泊では、まだ舟のことをうーニといっている。一九八一年四月十二日、山内昌藤君に案内されて久しぶりに、北山城址を訪ねた。清明の晴れわたった天気で、城の周辺は新緑につつまれていた。海洋博で整備された舗装道路を上り、やがて城門に到着しようとして、急カーブをきろうとするところで、山内君が車をとめた。若草の生い茂ったくぼ地に小さい祠があった。古宇利火(フイ)の神だという。その前面の草原に、ナちヂンうーニとムとゥブうーニがある。ちょうど刳舟をよこたえたような形でその上も若草が蔽っている。ナちヂンうーニは、日本本土に向い、ムとゥブうーニは中国にむかっているという。若草の原に、若草に蔽われた舟型の土のかっこうが実に見事であった。ナちヂンうーニは高さ約七〇センチメートル、幅約一メートル、長さ五・五メートル、ムとゥブうーニも同じ高さ、幅で、長さが一二メートルで長い。
旧盆のあと、最初の戌の日に、今帰仁ノロトゥムヌハーニによって祭事が行われるという。竹の棒を持って舟を漕ぐ所作をしながら祭が行われるという。具志堅からも祭に加わる。
▶原稿に(一九八一・四・一七)の記述あり

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