琉球語の美しさ

蛇と方言

雪国では雪の方言が発生するように、年中蛇になやまされている沖縄では、当然いろいろの方言が出来るべきはずである。毒蛇をパブーといい、ヘビ類の総称はないようである。まず毒蛇は忌み嫌うので、直接その名を言わずに、禁忌してナガームンという。雨が小降りすると、毒蛇は穴からはい出ると言われる。叢がしっとりと濡れているところを、ぬき足さし足で歩く足裏の感じをピサーパゴーセンという。蛇はとぐろを巻いている時は一番危険だ。ところが、長くのびている時は飛びかからないという。長くのびてはっているのをナガンボイという。ナガンボイは横になることの意でねそべることにもいう。蛇は美しい人間にかみつくとも言われている。禁忌のにおいがある。

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