琉球語の美しさ

トゥンヂビーサ<冬至の寒さ>

冬至をトゥンヂという。冬至のころやって来る寒さをトゥンヂビーサという。毎年注意していることだが、これほど正確にやってくる寒さはない。旧暦と気候が緊密な関係のあることを思い知らされる旧十二月八日は、ムーちーの時で、各家々でムーちー<餅>を作り、ムーちーけーガサ(月桃)に包んでいただく。そのために、トゥンヂビーサをムーちービーサともいっている。太陽暦にはない民衆の生活体験の凝縮したトゥンヂビーサ、ムーちービーサである。
気象学ではこの事実を説明しているのであろうか。月と地球との関係の秘密を人間がかぎとっている感じがないでもない。毎年、トゥンヂビーサにふるえながら、不思議に思う。

© 2017 - 2024 シマジマのしまくとぅば
〒903-0213 沖縄県中頭郡西原町字千原1