琉球語の美しさ

ヒちガナーサ〈ついてくる人はかわいい〉

このことばはよい。人情の機微をついている。いつもうるさくつきまとうものとの間に、しだいに人間関係が深まるということを意味する。ヒちは「つく」ということで、蠅が魚につく意の「つく」にも用いられ、人について行くことをいう。人について行けば行くほど、そこいカナサ〈いとしさ、かわゆさ〉が生まれるということである。ウリーバ カシーマサヌ ウラーヌバ サビサヌ〈居ればうるさく居らなければさびしい〉ともいう。いつもやって来てそばにいるとうるさいが、居なくなるとさびしいということで、その間にだんだん人間関係が深まり、ヒちガナーサが生まれる。

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