琉球語の美しさ

シンヂちーヌ コーヂちー

親切がかえって不親切になることをいう。みんなが、おたがいにあたたかい思いやりがあれば、とげとげしいことばもなく、誤解も生じない。
ゆうな荘に、結婚式があって、うきうきして出かけた。松川のガソリンスタンドのところでタクシーを拾って、会場へといそいだ。真和志支所の近くの坂にかかったとき、「ゆうな荘は、右へ曲がって行きますから」と、運転手に伝えると、急にふきげんな顔をして、「お客さんは、私がまっすぐにつっぱしると思ったのですか」ととげとげしい。いや沖縄市へんからもやってくる運転手にもよくであうので道を指示したまでですといっても、顔はやわらがなかった。不愉快だった。
松川停留所からタクシーを拾って琉大へ行ったことがあった。図書館の前で降りると、メーターもいつも同じで、賃金は最初の料金である。守礼門のわきの十字路にかかったとき、さかの上からどやどや学生がおりて来たので、車をとめておりようとした。運転手は、急にふきげんになり、もっと乗れという。どういうのかよくわからなかった。坂を登って、図書館前で降りたが、賃金表示機はそのままであった。ぶりぶり怒りながらあらあらしく帰って行った。親切は親切としてうけとる素直さがほしいと思った。ハワイにはアロハがある。小さな親切を、沖縄人、みんなで持たなければ、観光沖縄の将来もあやぶまれる。
シンヂちーがコーヂちーになるこんなにがにがしい場面もあった。

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