琉球語の美しさ

あマーダ〈簣〉

地炉の上にかける簣。青竹で編んで、魚や豆腐などを焼くのに用いる。ソーきターゆー〈田からざるで魚をすくいとること〉で鮒などをとって来ると、その上であぶり、焼いた。自在鉤につるす。もうどこの山里へ行っても見当たらない。あマーダをつくるには青竹をきって編んだ。その一本一本をあマーダグシという。首里ではこの語も滅びてしまったのであろうか、『沖縄語辞典』には出ていない。しかし、『全国方言辞典』には、「あまだ ①炉の上につってある簣または板。京都府竹野郡・壱岐 ②物置の用をする二階。天井裏。鳥取・島根・広島」とある。おそらくは全国にひろく使用された語であろう。これなどは、ものがなくなるとともに消滅して行った語である。しかし、太古から、民衆に親しまれた語にちがいない。          ▶原稿に(一九七九・一二・一二)の記述あり
消えかかることばにであうと、むしょうに愛着を感じる。長く過去の歴史にいきづいていたのが、時代にながされて消えて行くからである。こんなことばは、とくに生活に密着していたからである。

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